バドミントン・シューズを選ぶとき、どのように選んでいますか?
普段履いている靴のように楽に履けるシューズを選んでいませんか?

 

特にバドミントンは、ダッシュとストップの繰り返しで足にかかる負担はかなりのものとなります。
正しくフィットしないシューズは、パフォーマンスアップどころかトラブルを生む原因になることもあるようです。
正しくフィットするシューズは、外反母趾などの足のトラブルや、ひざや腰の痛みなどを緩和する効果もあるようです。

 

そこで今回は、「正しくフィットするシューズ」について、フットケアトレーナー のライセンスをもつ
ラケットショップ・フジ八王子店の遠山店長にお聞きしました。

 

 

 フットケアトレーナーとは?

 

内閣府認証 特定非営利活動法人(NPO)オーソティックスソサエティー が認定する

「フットケアトレーナー Bライセンス」を取得しています。

フットケアトレーナーとは、足の専門的な知識を持ち、インソール等を使用して足元から身体のバランスを整えるための正しい知識と技術を持った足の専門家のことをいいます。

 

オーソティックスソサエティーは、医師、理学療法士などの医療資格者や

シューズに関わる様々な足の専門家集団です。

ここでは、足に関する解剖学や、障害などの知識をはじめ、

様々な問題に対するケアの実務などを学びました。

 

入門コース、基礎コース、Cライセンスの取得、応用IA、応用IB、各コースの受講、そして試験や課題レポート(20例)の提出を経て取得しました。

結構手間ひまかかっています (^^;

 

こうして学んだことはフットケアを通して、すでに多くの方にその効果を実感していただいています。

しかし、まだ自分の足のこと、シューズのことを正しく理解されていない方が多いことも事実です。

 

パフォーマンスアップや怪我を予防のために、また、ひざや腰にトラブルがある方や、外反母趾などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

 

 

 フィッティングは、どのように行うのですか

 

まずは、カウンセリングを行います。

足やひざ腰になにか問題はないかないかなど、おはなしを伺ったり観察を行う中で情報収集をします。

 

つぎに、足の測定を行います。

足長、足囲、足幅の計測が基本となります。

JIS規格のサイズ表に計測結果を当てはめ、正しいサイズを導き出します。

 

多くの方は、普段履いているシューズと同じサイズを選ぼうとしますが、

一度正しく計測されることをおすすめします。

また、足幅を狭くすると痛くなるイメージが強いですが実際皆さんが履いている靴を見ますと足幅よりも大きい靴を履いている方がほとんどです。

今までの経験で ”EEE” の方はほとんどいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

計測を行い驚いたのは、ふだん 25.5cm のシューズばかり履いていた筆者ですが、

結果は右、23.4cm 左23.8cm でした。

また、幅広(”EEE”くらい?)だと思っていたのに 右、"E" 左、"D" ということでした。

ちょっとショックです...

 

サイズにあったシューズを選びます。

左右差がありますが、大きな方にあわせます。

 

   

 

静止立位姿勢の観察、 歩行姿勢の観察を行います。

肩甲骨のバランス、左右の骨盤のバランスをチェックします。

歩行姿勢は、人それぞれに違いがありますので注意深く観察します。

より厳密な計測にはフットプリンターを使います。足への加重状況を可視化することができます。(写真右)

 

     

 

こうして得た情報から DYMOCO インソールでの調整を行います。

”DYMOCO” (ディモコ)とは、DYNAMIC MOVE CONTROLの略です。


何らかの手法を用いて歩行姿勢を意識的にコントロールし、スムーズでかつバランスのとれた状態にすることを意味していてます。

こうした考え方に基づき、それぞれの人に合わせ作製するインソールのことをDYMOCOインソールと呼んでいます。

 

    

 

この後は、調整したシューズを履いていただき、静止立位姿勢の観察、 歩行姿勢の観察を行います。

 

こうした調整により、正しい足のアーチが整い、負担のかからないバランスと、足本来の機能を余す所なく引き出すことが出来ます。

正しいバランスは、ひざや腰への負担を減らします。

これにより、痛みの軽減が期待できるのと、バランスの悪さからきていた肩こりなども改善されることがあります。

 

はじめは多分戸惑いがあるかと思います。

新しいシューズですと、かなり窮屈に感じるかもしれませんが、バドミントンシューズという性格を考えれば、シューズの中で足が動いてしまうということは、荷重移動のロスを生み、繰り返しずれることで様々なダメージというリスクを負うことになります。

けっして窮屈なだけではありません。

こうして調整されたシューズの中で足の指はしっかりと蹴り出しのエネルギーをシューズを通してコートへ効率よく伝えることができます。フットワークパフォーマンスの向上です。

必要なところへは必要なフィット感があり、動かなければならないところはきちんと動くということが大切なのです。

 

靴ひもの締め方だけでも違います。

甲の部分はひもを一度ゆるめ、上にではなく横に強く引きながら締め上げてください。

手の指で例えれば、親指と小指の付け根を側面から内側へ押すような感じです。

決して足首の近く、シューズの上部で締め上げないでください。大切な血管を圧迫してしまいます。

また、フィットという意味では何の効果もありません。

 

近日中に、正しい靴ひもの締め方の詳細を解説します。

 

 

 プレーヤーに向けてアドバイスいただけますか

 

まずは思い込まないで欲しいと思います。

一度正しい計測とカウンセリングをうけていただければと思います。

 

バドミントンも、足への負担が大きいスポーツです。

シューズの持つ役割はとても大きいと思います。

 

怪我や障害の予防だけではなく、最大限パフォーマンスをアップさせる目的を持った特別な道具です。

 

シューズの購入の際はぜひ一度お声をかけてください。

よろしくお願いします。

 

 

遠山店長はその後、バドミントンメーカーからの要請もあり、様々なアドバイスを行ったそうです。今後発売されるニューモデルにこうしたノウハウが反映される日もあるかもしれません。 楽しみです。

 

p.s.

窮屈かもしれないと心配しながら体育館に行った筆者は、転がるように前に出れる自分の体に、そして足に、言いようのない違和感を感じました。

ついついニヤリとしてしまう楽しい違和感でした。